2019年5月25日土曜日

スパイスとバスマティライス 令和元年五月

スパイスとバスマティライス

「美味しんぼ」に東大のインド史の先生が出てくる巻があります(「カレー勝負」)。

「インド料理に使うスパイスは、薬でもあるんだよ。スパイスを漢方薬の呼び方で言えば、
クローブは丁子、シナモンは肉挂、コリアンダーが胡菜、クミンは馬芹(うまぜり、ばきん)、ナツメグが肉豆蔲(にくずく)、ターメリックは鬱金(うこん)、フェンネルが茴香(ういきょう)となる。」

この中のコリアンダーはおなじみ、中国名では香菜(シァンツァイ)、タイ語ではパクチー、和名の胡菜(こさい)はポルトガル語のコエントロから来ています。別名はそのもの、カメムシソウとも言います。

クミンはカレーには欠かせないスパイスで、ヒンディー語ではジーラと言います。
クミンシードが手に入りやすく、炒めて使えばグッと本場のインドカレーらしくなります。

バスマティライスはインドやパキスタンで常食されているインディカ米です。香り米の最高峰で、ヒンディー語で「香りの女王」という意味です。ちなみに世界のお米の8割がインディカ米で、あとの2割がジャポニカ米です。
やはりインドカレーにはインディカ米が合うようです。しかしこのバスマティライス、関税がかかるので国内米の二倍くらいします。本格的なインドレストランでもビリヤニに使うくらいで、カレーにはサフランライスにして提供するお店はありますが、コストを考えるとバスマティライスを出す店はなかなかありません。

大久保の名店「魯珈」のご主人は仕入れ、調理、会計、皿洗いなどを一人でやっています。一日で130皿を出すのが精一杯だそうですが、人を雇わないのは少しでも安くカレーを提供したいからだそうです。
大阪の「金剛石」は日本米かバスマティライスどちらかを選べます。ほとんどの人がバスマティライスを注文します。

話は変わりますが、私が初めてインドに行ったのは26歳のときです。初めての海外旅行で飛行機に乗るのも初めてでした。
朝昼晩カレーでした。カレーくらいしか食べるものがなかったからです。
下痢、 発熱、しつこい物売りや物乞いに辟易し、なんでハワイに行かなかったんだろう、と激しく後悔したものです。
インドに行こうと思ったのは「深夜特急」の影響ではなく、「インドでわしも考えた」(椎名誠)や「ホテルアジアの眠れない夜」(蔵前仁一)を読んだからです。インドというと神秘的なヨガ300年の歴史とかヒンズー教のサドゥーだとか、なんだか哲学的なムードがありますが、この二冊にはそんな雰囲気は微塵もありませんでした。

「金剛石」で一口バスマティライスを食べたときに、カルカッタ(現コルカタ)の灼熱や喧騒、デリーのしつこいリキシャワラー、バラナシの列をなす物乞いなどが一気によみがえってきました。
バスマティライスを出す店のご主人は多分インドに行ったことがある人だと思います。インドをカレーで体験して欲しいと願っているのではないのでしょうか。
それは一言で言うとゴチック体の「愛」なのではないでしょうか。

戸板市にはバスマティライスを2キロ持って行きます。25日の気温は30度を越すらしいです。是非インドを体験して欲しいと願っています。

愛、愛だよ、なつ、次回に続けよ(ウッ○ャンの声で読んでね)。





https://blog.goo.ne.jp/durian-nagano/e/a27402ff27a3e7f64e5baebf1fcbc293#%E3%82%A8%E3%83%83%E3%82%BB%E3%82%A4

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回顧を兼ねた書評 令和二年三月


僕の初海外旅行は26歳の時のインドだった。当時往復チケットは年末料金だったので30万した(泣)。
行く前は椎名誠の「わしもインドで考えた」を熟読。
インドでは尻の毛まで抜かれるほどぼったくられ、下痢と発熱で散々だったけど、それからはリーマンパッカーとして主にアジアをふらふら。アフリカは遠すぎて行けなかった。
新婚旅行もバックパックでバンコクと香港へ。香港では雑居房のチョンキンマンションで二泊し、妻はぐったりしていた。
バンコクでは安宿と高級ホテルと泊まり歩き、マリオットのプールで溺死しそうになったのは今ではいい思い出だ(嘘)。
旅も好きだが、旅行記も好きだ。この本は主にアフリカ旅行のエッセイだが、面白い。何よりも文章がうまい。奥さんとのなりそめを綴った「追いかけてバルセロナ」なんか疾走感があり、一気に読め、感動的でさえある。朝の通勤の地下鉄で読んでたけど、日本にいながら気持ちはバックパッカー。旅の本もいいけど、また出かけたいなあ。


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